こんにちは。テッシーです。今回は文章長いですが、郷ひろみバリのアチチを感じられることでしょう。近日公開予定のインタビュー映像も、ぜひご覧ください。

8月3日、映画『雪の花　ーともに在りてー』のBlu-ray／DVD発売を記念し、小泉堯史 監督が福井を訪れました。その機会に、私は監督へのインタビューを担当。フィルムコミッションの一員として、そして地域おこし協力隊として活動をしている私にとって、この取り組みは大きな意味を持つものでした。

福井県を舞台に撮影されたこの作品は、スクリーンを通じて県内のさまざまな風景を映し出しています。映画館で観た方も、Blu-rayやDVDを手にすることで再びその情景に触れ、改めて福井の魅力を感じていただけるでしょう。地域の風景が全国へと届くこの機会を、映画を愛する人々にとってだけでなく、地域の未来にとっても大切にすべきだと強く思っています。

インタビューはFBC（福井放送）との合同で行われました。私は2か月ほど前から準備を進め、監督にお話を伺うための企画を立ててきました。監督の来県を知った瞬間から、この機会をどうにか形にしたいと考え、福井県庁を通じて企画書を提出し、実現へとつなげました。小泉堯史監督といえば、黒澤明 監督の助監督として長年携わり、その後も独自の作品を生み出してきた映画人です。その監督に直接問いかけられる機会は、私にとってかけがえのないものとなりました。

小泉監督は、黒澤明 監督のもとで助監督を務められた経験を持ち、重厚で奥深い作品を生み出し続けてこられました。そんな監督に対してのインタビューは、当然ながら緊張感のあるものでした。実際に質問を投げかけると、言葉のひとつひとつが短く、しかし非常に重みを持っていて、場が自然に引き締まる瞬間がありました。「時代劇というのは、その時代に対してどのような想像力を持って演じられるかが重要なのです」と語られた時、私は監督の目線の鋭さに心を動かされました。表面的な問いかけに対しては厳しさをもって応じられる姿に、映画づくりにおける真剣な姿勢を強く感じました。

一方で、その言葉の裏にある優しさや誠実さも見逃せませんでした。監督は福井での撮影を振り返りながら「本当に映画の中に、いろんな福井の魅力的な場所がたくさん出てきます。見ていて、こんな場所があったのかと気づかされるはずです」と話されました。さらに「福井にはいいところがこんなにあるのに、もっと言えばいいじゃないか」と力を込められたのが印象的でした。その言葉は、地域おこし協力隊としての私自身に対する励ましのようでもありました。地域の魅力は、そこに住む人々が自ら誇りを持って語ることでより力を持つということを改めて教えられたのです。

また、フィルムコミッションについても触れてくださいました。「僕たちだけでは、こういう場所やああいう場所を見つけることは難しい。フィルムコミッションは本当に大事な存在です」と語られた時、福井の地でその役割を担っている自分の立場を改めて意識しました。映画という大きな仕事の中で、地域が果たす役割の重要性を強く感じる瞬間でした。

インタビュー後には、Blu-ray／DVD発売に合わせたショート動画も撮影しました。全員で「福井に来てね！」と呼びかける内容で、最後に監督が「待ってます」と添えるというシンプルなものです。しかし、その一言を監督にお願いするのは容易ではありませんでした。小泉監督は非常にシャイで、自分を前に出すことを好まれない方です。言葉を重ねることも控えめで、多くを語らない姿勢は、ある種の美徳として感じられるものでした。それだけに、この短い動画を撮影する過程では苦労もありましたが、最後には快く協力してくださいました。その瞬間に垣間見えた柔らかな表情は、忘れられないものです。

映画は一人で作り上げるものではなく、監督が語られたように「スタッフ全員が登場人物に対する愛情を持って作っていくもの」であり、さらに「観客の力があってこそ完成するもの」でもあります。黒澤監督がかつて語られた「見る人の力がなくなれば映画は終わりだ」という言葉を小泉監督が紹介されたとき、私は大きな責任と同時に希望を感じました。作品を観てくださる人々がいて初めて、福井の魅力も伝わるのだと考えると、この活動そのものが地域の未来につながるのだと実感しました。

Blu-ray／DVDが全国に届けられることで、福井の魅力を知る人が増えることを願っています。映画を通じて、まだ知られていない福井の風景や歴史を、多くの方が新たに発見してくださることと思います。そしてその発見が、福井に足を運んでいただくきっかけとなり、地域の活力へとつながっていくことを期待しています。今回のインタビューを通じて、地域おこし協力隊として果たすべき使命を改めて心に刻むことができました。

iphone にて撮影