現在では、ナチュラルワインにおける輸入会社としての知名度を確固たるものにしているディオニー株式会社であるが、ホームページリニューアルが行われた2006年当時、成長著しくはあったが、ナチュラルワインを扱うという意味での認知度は決して高いものではなく、まだまだ発展の途中であったと言える。
当時のディオニー株式会社の中期的な展望としては、旨安ワインと言われるリーズナブルな価格で美味しいワイン、そしてナチュラルワインを扱う企業としての大きな成長を目標に掲げていた。私は雑談から始まった会話の中から「面白いことができそうだ」と何かをひらめき、ホームページのリニューアルを提案させていただいた。当時はホームページがあることだけに満足している中小企業がまだまだ多い状況で、コスト面からもホームページをブランディングに活用している中小企業は少なかったように思える。
成長企業として短絡的な結果だけを求めたブランディングではなく、じっくりと時間をかけてのブランディングを進めていくことが重要だということを丁寧に提案した、そのためには私も二人三脚でやっていく覚悟と決意が必要だと思い、他社との契約せず、私は専属でプロジェクトに臨むことにした。
ホームページで何ができるのか、まずは、直接の取引相手である小売店や飲食店だけに向けた情報配信ではなく、実際にワインを飲むエンドユーザーに対してわかりやすい情報配信をすること、それを重要なキーワードとして、自社が扱うワインだけの宣伝というくくりではなく、ワインを取り巻く全体像を皆にどうやって知ってもらうのか、そういうことを念頭にリニューアルを進めた。ワインを知ってもらうことがワイン業界の活性化へ繋がり、裾野が広がると考えるからだ。
また、じっくりとブランディングをするということは、数年ごとにたびたびリニューアルしてしまうホームページであってはいけない。それでは主眼となるブランディングの理念から外れてしまう。「10年は持つホームページ」を目標に、全体的なフレームの構築をしていった。
現在のディオニー株式会社は、当時とは比べものにならない認知度の高さだ。企業の成長もさることながら、ホームページというものが大きな役割を果たしたということは言うまでもないと思う。それは私にとっても財産であり、大きな喜びである。
2007−
Client : Diony
Direction / Design / Program : TESSY Ital
Management / Writing : IKEDA Ayumi